個人事業主と法人の違い
起業する際、個人事業主として事業を行うか、会社を立ち上げて法人として事業を行うか、悩まれる方は少なくありません。
個人事業主と法人には、違いが存在し、それぞれにメリット、デメリットが存在します。
事業の内容はもちろんのこと、適切な事業形態を選択することも事業の将来に大きくかかわります。
ここでは、個人事業主と法人の違いと、法人化するメリットをご紹介します。
■個人事業主とは
個人事業主とは、法人を設立せず、個人で事業を営む人のことを指します。
税務署に開業届を提出することで、認められます。
■法人とは
法人とは、法律によって人と同じ権利や義務を認められた組織のことを指します。
法人には、株式会社以外にも合同会社やNPO法人、一般社団法人など多くの種類が存在します。
そして、法人の設立には、これらの法人の種類それぞれに手続きが異なります。
■個人事業主と法人の違い
個人事業主と法人の違いは多く存在します。
その中で、大きく異なる点をご紹介します。
・事業開始までの手続き
個人事業主の場合、税務署に開業届を提出するだけで手続きは完了し、特に費用は発生しないのに対し、法人の場合、法人登記が必要となり、必要書類の提出や会社印の準備といった手間が発生します。さらに、法人登記には費用がかかり、株式会社であれば約25万円、合同会社であれば約10万円以上かかります。
・支払うことになる税金
支払う税金においても、違いが見られます。
個人事業主であれば、所得に応じて所得税を支払うことになりますが、法人の場合は法人税を支払うことになります。
また、住民税に関しては、個人事業主は個人住民税、法人は法人住民税、事業税に関しては、個人事業主は個人事業税、法人は法人事業税というように、支払う税金に違いがあります。
■個人事業主から法人化するメリット
上記では、個人事業主と法人の違いについてご紹介しました。
それらのことを踏まえて、以下では法人化するメリットについてご紹介します。
・節税に繋がる
上記でも述べた通り、個人事業主と法人では納める税金が異なります。
そのため、場合によっては大きく節税に繋がります。
例えば、給与所得控除が適用できる点です。
具体的には、法人化することでご自身の収入は役員報酬に該当することになるため、節税に繋がります。
また、法人化した最初の2年間は消費税を免除されるというメリットもあります。
・事業承継が可能になる
個人事業主が死亡した場合、相続人が事業を相続しない限り、その時点で廃業となります。
しかし、法人化すればそのような事態を避けることができます。
また、法人の株式を相続することになれば、遺産分割対策や支配権の維持に繋がるといったメリットも得られます。
・社会的信用度が上がる
上記で述べた通り、個人事業主の場合、死亡に伴う廃業リスクが常に付きまといます。
そのため、取引先にとって個人事業主よりも法人の方を信頼する傾向にあります。
また、法人化したことで事業拡大が見込まれる場合は、金融機関からの融資を受けやすくなります。
その他にも、経費として認められる範囲や、赤字の繰越、経理、保険などにおいても法人化にはメリットがあります。
法人化でお困りの際は、専門家に相談することをおすすめします。
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