事業承継の方法
事業承継の方法としては、①事業譲渡(会社法467条)、②M&Aの2種類があります。M&Aについては別の項目で概説するので、ここでは事業譲渡について概説していきます。
事業譲渡(467条1項1号、2号)とは、一定の事業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産の全部又は重要な一部を譲渡し、これによって、会社がその事業活動の全部又は重要な一部を譲受会社に受け継がせ、会社が法律上当然に競業避止義務(21条)を負う結果を伴うもの(最大判昭和40年9月22日民集19巻6号1600頁)を言います。
事業譲渡の手続の流れとしては、
・取締役会設置会社においては取締役会決議(362条4項1号)、非設置会社においては取締役による意思決定(348条1項、2項)
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・株主に対する通知・公告(469条3項、4項)
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・株主総会による承認(467条1項柱書、309条2項11号)
となります。
なお、上記株主総会はいわゆる特別決議にあたり、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要となります。
また、事業譲渡に反対する株主には、会社に対して自己の株式を買い取るように請求できる権利が認められています(反対株主の株式買取請求権、469条1項)。
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