コンプライアンスマニュアル
コンプライアンスとは、基本的には、企業の業務が法令を遵守した形で行えるようにシステムを構築し、企業の不祥事を予防することをいいます。
コンプライアンスの違反事例としては、独占禁止法は不公正な取引方法を禁止しているにもかかわらず、食品製造会社が小売店に高い価格で販売するよう強要したとして、公正取引委員会に独禁法違反であるとして勧告された事例や、旅行代理店が写真家に無断で写真をパンフレットに使用し、著作権法違反で訴えられた事例、偽装請負を行い労働者派遣法違反で行政から処分を受けた事例などがあげられます。
コンプライアンスが徹底されていないと、不祥事の発生する可能性が高まり、刑事・民事・行政上の責任を問われかねないほか、企業の社会的信用が失われ、多大な損害を被ることが予想されます。逆にコンプライアンスの導入を徹底していると、従業員が不祥事を起こしたとしても速やかに対応でき、また企業の損害賠償責任が減免されやすくなるなどのメリットがあります。そこでコンプライアンス導入に向けた対策が必要となるのです。
対策の一つとして、コンプライアンスマニュアルの策定が考えられます。コンプライアンスマニュアルとは、従業員に対して業務にあたっての禁止事項や法令に適合した業務方法を示すマニュアルであり、不祥事を未然に防ぐことが期待できるほか、外部に公開することで、自社がコンプライアンスを徹底している企業であると示す効果もあります。
策定にあたっては、実効性のある内容にする必要があるのはもちろんのこと、内部通報制度を設ける、研修等を通じて積極的に周知徹底を行うなど、絵に描いた餅にならないような対策が必要となります。