株主総会対策
企業の経営者の中には、株主総会対策に苦心されている方も多いのではないでしょうか。
特に近年は、総会屋の出席が特段予想されず、自社の不祥事などがなくとも、株主総会に向けて十分な対策を行うことが重要です。
経済環境の変化とともに、株主総会をめぐる環境も確実に変化しています。
以前は「株主総会対策」といえば、「総会屋対策」を指すことがほとんどでしたが、商法・会社法の改正の影響で現在は総会屋の数が減少しています。
その代わり、一般株主から積極的に質問がなされる傾向にあり、一般株主との対話を重視する「開かれた株主総会」が増えています。
他方で、企業経営者にとって株主総会がリスクの大きいものであることに、依然として変わりありません。総会の準備段階から法令にそって適切な対応が求められ、総会当日においても法令を遵守して適切に運営し、決議することが重要です。総会の決議に瑕疵(法令・定款違反など)があれば、その決議は取り消されるリスクが生じます。取締役選任決議など重要な決議が取り消されてしまえば、会社の運営に大きな支障を来すおそれがあります。
株主総会の準備として行うべきなのは、(1)スケジュールの策定、(2)シナリオの作成、(3)想定問答集の作成、(4)トラブル対処法法の準備、(5)リハーサルの実施、などが挙げられます。
■(1)スケジュールの策定
総会の開催日時や登記、議決権行使書・委任状の本店備置き期限に至るまで、なるべく詳細なスケジュールを策定します。
■(2)シナリオの作成
総会当日に、どのような進行で総会を進めていくのか開会から閉会までのシナリオを作成します。
■(3)想定問答集の作成
近年は一般株主から積極的に質問がなされる傾向にあり、質問に対して的確な回答をスムーズに行うためには、想定問答集を作成しておくことが重要です。
早い段階から準備し、可能な限り幅広く、かつ、具体的な想定質問及びそれに対する回答を準備しましょう。
■(4)トラブル対処方法の準備
総会を円滑に進めるためにも、トラブルが生じた場合の対処方法について決めておきましょう。ケース別にスタッフの対応をマニュアル化する、対応責任者を決めておくなど、自社または他社で生じた過去のトラブルを参考に対策を講じます。対処方法について弁護士等からリーガルチェックを受けることも重要です。
新型コロナウイルスの影響で、バーチャルオンリー型ないしハイブリッド型の株主総会を検討する企業も増加しているため、バーチャル株主総会に対応した措置も検討が必要です。
■(5)リハーサルの実施
上記の対策をもとに、実際の会場とほぼ同様の会場設営をして、リハーサルを実施することも重要です。リハーサルを行うことで、想定問答集に含まれていない質問やトラブルを早期に発見して対処できるとともに、冷静かつスムーズな議事進行を行うことができます。
総会対策でお困りの際は、弁護士等の法律専門家に相談することをおすすめします。
初雁綜合法律事務所は、文京区、千代田区、渋谷区、江東区、板橋区を中心に、一都三県における企業法務のご相談を承ります。
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