強制回収
債権回収には、任意回収の他に、強制回収があります。強制回収は、債務者の任意に渡るのではなく、裁判所の手続きを経て債務者の財産から強制的に債権を回収することです。
裁判所を利用しなければならない以上費用や時間がかかりますが、債務者の協力を前提とせず国家権力を持って回収を行うため、現時点での債務者の財産からの弁済を確実に受けることができます。
強制回収も債務名義を得て債務者の責任財産(債務者の総財産から、担保物権の対象となっている特別財産と差押え禁止財産を除いたもの。)に対し強制執行を行う場合と、担保不動産などの担保物権を競売手続きにかけて回収を試みる場合があります。
前者(強制執行)については、複数債権者がいる場合、その債権総額が責任財産よりも少ない場合には債権者全員が全額の満足を受けることができますが、債務超過にある場合、つまり債権総額が責任財産よりも多い場合には、各債権者は債権額に比例した弁済しか受けることができません。よって、債権全額が回収できない恐れがあります。
しかしながら、後者の担保物権の競売による場合には、少なくともその担保物権の価額分に関しては他の債権者に優先して弁済を受けることができるため、担保物権に十分な担保価値があれば、債務者が債務超過にあったとしても全額の満足を得ることができます。このように担保物権には確実性があるため、実務上非常によく用いられます。
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