インフォームドコンセントとは
かつては、医師は患者に十分な情報を与えなくてもよく、複数の治療方法が考えられる場合であっても、最善を尽くせば良いとの考え方も存在していました。
しかし、だんだんと医療が進歩し、医療措置に伴うリスクも多様なものとなってきています。例えば、一定程度生命に対する危険を伴うものの、救命可能性のある手術方法が開発されたり、これによって、かつては生存への意欲を失わせる傾向にあった「難病を告知する」ということが一般化してきたりしています。
そのため、医療のあり方を根本的に見直そうという動きが生じてきました。それに伴い、医者と患者の関係性も変化してきました。
医療技術が進歩することで、身体への侵襲などのリスクもより複雑化してきています。そのため、医師が医療措置をとる前に、患者に対して十分に説明し、患者に同意をしてもらう必要性は大きくなってきているといえます。
また、患者の観点からも、医師が説明の中で提示した複数の医療措置を選択し、同意をする権利が認識されるようになってきました。
このような動きの中で、インフォームドコンセントが認識されるようになりました。
日本における具体的な動きとしては、インフォームドコンセントを踏まえた医療法の改正が行われたことが挙げられます。
医療法第1条の2
第1項 医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師や看護師等の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、及び医療を受ける者の心身に応じて行われるとともに(中略)良質かつ適切なものでなければならない。
第2項 医療は、(中略)医療を受ける者の意向を十分尊重し、(中略)提供されなければならない。
第1条の4
第1項 医師や看護師等の医療の担い手は、第1条の2に規定する理念に基づき、医療を受ける者に対し、良質かつ適切な医療を行うよう努めなければならない。
第2項 医師や看護師等の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならい。
第3項 医療提供施設において診療に従事する医師等は、(中略)必要に応じ、医療を受ける者を他の医療提供施設に紹介し、その診療に必要な限度において医療を受ける者の診療又は調剤に関する情報を他の医療提供施設において診療又は調剤に従事する医師等に提供し、及びその他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
これらの規定により、医師による説明や患者の同意、必要あるときの他の医療施設への紹介等が定められました。
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