患者取り違えによる医療過誤
医療過誤があった場合には、被害にあった患者は、病院あるいは医師個人に対して損害賠償請求を行うことが考えられます。
手術などを行う際に、本来の患者と他の患者を取り違えてしまうと、手術を受けるべき患者が適切な手術を受けることができず、手術を受けるべきではない者が、身体への侵入を含む手術を受けることとなってしまい、損害が発生することがあります。
病院や医師個人に対する損害賠償請求の法的構成は、不法行為に基づく損害賠償請求、あるいは診療契約違反に基づく損害賠償請求です。
上述の患者の取違を理由として損害賠償請求が認められるためには、一般論として、故意・過失による不法行為があること、当該不法行為によって損害が発生していること、損害の額を立証する必要があります。
このページでは、患者の取り違えによる医療過誤について深堀してご紹介します。
患者の取り違えによる医療過誤
故意で侵害行為を行う場合は想定し難いため、過失があったといえるかが問題です。
過失とは、予見可能性と、予見可能性を前提とする結果回避義務違反をいいます。
すなわち、当該行為をすると、どのような結果が発生するか予見することができたにもかかわらず、不注意によって結果を回避する義務に怠って結果を発生させる行為を行ったことをいいます。
医師は身体への侵入を伴う職業であるため、医療に関して注意義務を有しています。
患者の取り違えに関しては、患者の取り違えを回避するためにどのような体制がとられていたかなどを考慮して判断されます。
また、単に患者の取り違えがあったというだけ打では足りず、損害が発生していることが必要です。
そして、その損害が当該患者の取り違えによって発生した者であることの立証が求められます。
患者の取り違えとは関係のない原因によって発生した損害は、因果関係が認められず、賠償の対象にはなりません。
加えて、損害賠償請求に際しては、損害額を金銭に換算して立証を行う必要があります。
後遺症が残ったり、精神的損害を被ったと主張する場合でも、これらを金銭で換算して立証する必要があります。
なお、請求の相手は基本的には、患者の取り違えをした医師及びその病院ということになります。
不法行為を行った医師は709条を根拠に請求の対象となり、病院は、この者を使用するものとして715条によって請求の対象となります。
また、債務不履行に基づく損害賠償請求は、双方に対する請求の根拠となります。
医療過誤にお困りの方は初雁総合法律事務所までご相談ください
以上のように、医療過誤があった場合には、病院側の落ち度(過失)や因果関係などを立証して、その損害の回復を求めることになります。
もっとも、その立証は容易ではなく、法律の専門家であり、医療過誤事件についての経験を有する弁護士に相談をして、その方針の下で対応をしなければ、自身が望む結果を得ることは難しい事件類型となっています。
また、示談交渉によって解決が図られることもありますが、弁護士が介入して示談交渉を行うことで、病院側の態度も軟化して、円滑に解決を図ることが期待されます。
後遺症などが発生して診療している場合には、早期に弁護士に相談してその方針を立てることができ、長期に渡ってリーガルアドバイスを受け得ることができます。
そのため、早期に弁護士に相談することをお勧めします。
初雁綜合法律事務所では、皆様の医療過誤の問題に対してご支援をさせていただいます。
「医療事故があったが、病院側の説明に納得がいかず医療過誤を疑っている」「医療過誤の疑いがあるが、判断が難しいので弁護士に相談をしたい」といったお悩みは当事務所までお気軽にご連絡ください。
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所属団体・資格等
- 第一東京弁護士会 住宅紛争処理審査会運営委員会 委員会
- 医療問題弁護団
- 公益社団法人 東京青年会議所
- 文京区基本構想推進区民協議会 委員
- 公益財団法人 文京アカデミー 評議員
- 文京区倫理法人会
経歴
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- 2008年
- 東洋大学法学部 卒業
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- 2011年
- 東洋大学法科大学院 卒業
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- 2011年
- 司法試験合格
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- 2012年
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弁護士登録 第一東京弁護士会(登録番号46872)
神保町法律事務所 入所
文京区 行財政改革区民協議会 委員 就任
東洋大学法科大学院アカデミックアドバイザー 就任
公益社団法人東京青年会議所 入会
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- 2013年
- 初雁総合法律事務所 設立
公益財団法人文京アカデミー 評議員 就任
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