死亡医療事故の原因で多い薬剤誤投薬
医療事故にはさまざまなケースがありますが、患者が死にいたってしまう死亡医療事故の場合、薬剤の誤投与が原因になるケースが多いといわれています。
しかし、薬剤誤投与かどうかの判断は簡単ではありません。
薬剤誤投与が疑われる場合、どのような対処法があるのか解説していきます。
薬剤誤投与が疑われる場合の対処法
薬剤誤投与が疑われる場合、まずはどのように対処すべきかを解説します。
医療事故問題に強い弁護士に相談する
薬物誤投与に関しては、一般の方では正確な判断が難しいかと思います。
医療に関する正確な知識等がなければ、誤投与かどうかを判断できないからです。
おすすめなのが、医療事故問題に強い弁護士に相談をすることです。
医者や看護師による薬物投与以降、明らかに患者の様子がおかしくなった、急に亡くなってしまった場合などは、医療事故が疑われます。
医療事故であれば損害賠償や慰謝料の請求が可能です。
請求をするためには、薬物誤投与を証明しなければいけません。
医療事故問題に強い弁護士であれば的確に判断し、医療事故かどうかの判断が可能です。
薬剤誤投与が疑われる場合に必要となる手順
薬物誤投与が疑われる場合、どのような手順で対応すべきかという点を紹介していきましょう。
医療事故問題に強い弁護士に業務を依頼することを前提とし、業務を依頼した後の手順を紹介していきます。
患者者側が得ている投薬に関する情報を提供
被害者である患者さんが、どのような症状で医療機関を受診し、どのような薬を投与されたかという事実を集めるのが最初にすべきことです。
何月何日からどのような種類の薬を、どのように服用したか、もしくは点滴などで投与されたかという情報を集め、弁護士に提供します。
患者の容態の変化などの詳細を報告
同時に弁護士に提供すべきは、患者の容態の変化に関してです。
何月何日の何時ごろから変化が現れたのか、どのような変化だったのかなどを詳細に調べ、弁護士に伝えます。
とくに容態の変化に関しては、医療事故を証明するためにも非常に重要な情報ですので、できる限り詳しく説明できるように情報をまとめておくのが重要です。
弁護士から医療機関へ診療情報の開示請求
弁護士はその業務において必要な場合は、診療情報の開示請求を行えます。
カルテなどの診療情報を入手することで、患者側の情報とすり合わせを行い、いつどのような状態のときにどのような薬が投与されたのかを正確に把握することが可能です。
文献などから投薬の妥当性を検証
弁護士は、過去の文献や医学における専門的な文献などを参考に、その薬が投与されたことが妥当であったかどうかを判断します。
必要であれば大学医学部の図書館を活用するなど、さまざまな文献から治療の妥当性を検証していくわけです。
協力医師への聴取
弁護士としての治療に対する見解がまとまると協力医に聴取を行い、治療の妥当性についてさらに検討を重ねていきます。
協力医は、患者に薬を処方した医師と同じ科を先行する医師とし、患者の容態や状況を考慮して、医師の投薬判断が正しかったどうかの最終確認を行います。
被害者へ結果報告
すべての結果が出そろったところで、患者に調査結果の報告を行います。
この時点で、医療事故は認められないという結論になれば薬剤誤投与はなかったということです。
薬剤誤投与があったと認められる場合は、診療機関等に対し、慰謝料や損害賠償の請求が可能です。
慰謝料や損害賠償請求に関しても、弁護士の専門分野と言えますので、引き続き業務をお願いするのが一般的と言えます。
薬剤誤投与による死亡医療事故で医療機関が負う責任
患者の死亡の原因が薬剤誤投与である場合、医療機関および医師、看護師、薬剤師などは、責任を負わなければいけません。
こうした医療機関および医療従事者が負うべき3つの責任について簡単に解説していきます。
民事上の責任
民事上の責任には、損害賠償や慰謝料などが当てはまります。
損害賠償請求や慰謝料請求に関しても、弁護士に任せることが可能です。
刑事上の責任
医療事故が原因で、患者が死亡した場合、医療従事者は業務上過失致死罪に問われる可能性があります。
刑事上の責任に関しては、患者側が警察に訴えることは可能ですが、患者側が責任を問うことはできません。
警察および検察が捜査を行い、罪があったかどうかを判断するのは裁判所です。
行政上の責任
医療事故を起こしたことで、医師や看護師、薬剤師といった医療従事者は、自身が持つ資格を失効する、もしくは業務停止、戒告などの処分を受ける可能性があります。
こうした行政上の処分に関しても、患者側がその責任を問うことはできません。
行政上の処分を行うのは、厚生労働大臣です。
まとめ
患者が死亡してしまう医療事故の原因としては、薬剤誤投与が多いといわれています。
しかし一般の方では薬剤誤投与があったかどうかを判断するのは簡単ではありません。
薬剤誤投与が疑われる場合は、医療事故問題に強い弁護士に相談をしましょう。
弁護士は、情報を収集し、自身で文献を調べ、さらに協力医への聴取から、薬剤誤投与の有無を判断してくれます。
薬剤誤投与があると認められる場合には、損害賠償請求や慰謝料請求が可能となりますので、この点も弁護士に任せるのがおすすめです。
提供する基礎知識Basic Knowledge
-
親知らずの抜歯で麻痺...
医療過誤にあった場合、法律的には、示談交渉を行って示談金を得たり、訴訟を提起して損害賠償金を得ることで、解決を目指すことになります。親知らずの抜歯で麻痺の後遺症が残ったというケースには、以下のような過去の事例があります。 […]
-
手術後の異物残留|慰...
手術とは、外科的危機やメスを用いて患部を切開し、治療的処置を施すことをいいます。手術を行うことは、体内への侵入を伴う点で大変危険な行為であり、医者の専門的知識・技術なくして安全に行うことができません。 もっとも […]
-
医療事故調査制度」と...
2015年から始まった「医療事故調査制度」というものがあります。運用が始まってから数年が経ち、様々な問題点の指摘もされるようになっています。ここでは同制度の内容について解説するとともに、制度の問題点、そしてこれに関連して […]
-
医療過誤は何年で時効...
医療過誤を疑った際に、確認する事柄のひとつに時効の問題があります。離婚や相続の民事訴訟や刑事事件にもそれぞれ設定されている時効があるので当然ながら医療過誤にも時効は存在します。時効が成立しまった場合ほかの事案と同じように […]
-
不適切な麻酔による後...
麻酔は、手術や治療において痛みを和らげ、患者の安全を確保するために欠かせない要素です。しかし、時には不適切な麻酔が行われ、深刻な後遺症を引き起こすことがあります。医療過誤により損害を被った場合には、その損害に応じて、病院 […]
-
協力医とは
医療裁判においては、専門的知識を持ち、かつ医療を生業としている医師の協力が不可欠です。被告側の医療機関が医療のプロである以上、それに対抗するには同程度のスキルを持ち合わせた人間である必要があるからです。原告側にとってその […]
資格者紹介Staff
法律を知らないばかりに悩んでいる人々の力になりたい。
当事務所は医療過誤のご相談に豊富な経験がございます。
おひとりで悩まず、お気軽にご相談ください。
所属団体・資格等
- 第一東京弁護士会 住宅紛争処理審査会運営委員会 委員会
- 医療問題弁護団
- 公益社団法人 東京青年会議所
- 文京区基本構想推進区民協議会 委員
- 公益財団法人 文京アカデミー 評議員
- 文京区倫理法人会
経歴
-
- 2008年
- 東洋大学法学部 卒業
-
- 2011年
- 東洋大学法科大学院 卒業
-
- 2011年
- 司法試験合格
-
- 2012年
-
弁護士登録 第一東京弁護士会(登録番号46872)
神保町法律事務所 入所
文京区 行財政改革区民協議会 委員 就任
東洋大学法科大学院アカデミックアドバイザー 就任
公益社団法人東京青年会議所 入会
-
- 2013年
- 初雁総合法律事務所 設立
公益財団法人文京アカデミー 評議員 就任
事務所概要Office Overview
名称 | 初雁総合法律事務所 |
---|---|
資格者 | 野口 眞寿 (のぐち まさとし) |
所在地 | 〒113-0033 東京都文京区本郷1-4-4 水道橋ビル4F |
連絡先 (担当:野口) |
TEL:050-3184-3790/FAX:050-3730-7809 |
対応時間 | 10:00~18:00(事前予約で時間外も対応可能です) |
定休日 | 土日祝(事前予約で休日も対応可能です) |
LINE 公式アカウント |
当事務所ではLINEでの相談対応が可能です。(LINE ID:@691yberd)
■登録方法について |