病院内での転倒事故や転落事故
患者さんが病院内で転倒・転落し、これによって障害を負った場合や死亡した場合、医療機関に責任が認められるのでしょうか。また、認められるとしたら、どのようにして患者やその親族の救済が行われるのでしょうか。
医療機関内の浴室、廊下、階段からの上記転落・転倒事故、窓からの転倒・転落は少なくありません。
このページでは、病院内で転倒事故や転落事故があった場合の医療機関の責任についてご紹介します。
■病院内で転倒事故や転落事故があった場合の医療機関の責任
病院内で転倒・転落事故があった場合、被害者やそのご遺族の方は、医療機関に対して損害賠償請求ができることがあります。
もっとも、医療機関の中で生じたすべての転落・転倒事故について、医療機関の責任が認められるわけではありません。
例えば、一人で歩行することに何の問題もない患者が、手すりのついている安全に配慮された階段から転落したような場合には、医療機関の責任は認められにくいといえます。逆に、一人出歩くことが難しいにもかかわらず、その旨の説明をしなかったため一人で階段を歩いて転落した場合や、階段が滑りやすく転落したような場合には、医療機関の責任が認められやすいといえます。
では、どのような場合に医療機関の責任が認められるのでしょうか。
被害者が医療機関に対して損害賠償請求をすることができる法的根拠は、不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)や、債務不履行に基づく損害賠償請求(同法415条)となります。
同条による不法行為責任が認められるためには、医療機関に過失、安全配慮義務違反が認められなければなりません。
ここでいう過失は、発生した危険を予見することができたか、適切な対応を取れば結果を避けられたかどうかから判断されます。
予見できないような危険の場合には、結果を回避する義務を裏付けることができないため、過失は否定されます。
また、予見することができ、十分な結果回避義務を果たしていたにもかかわらず、結果が発生した場合には、過失が否定されることがあります。
上記の例をもとにすると、一人で歩くことができない患者が一人で歩いた場合には転倒することが容易に予見できます。そのため、一人で歩いてはいけない旨、理由を含めて適切に説明したうえで、理解させることが求められます。
また、患者が一人で歩くことができる場合であっても、廊下や階段が滑りやすい場合には転倒・転落が起こることは容易に予見できます。そのため、廊下や階段が滑らないようにして、転倒・転落を未然に防止するよう措置を講じなければいけません。
これは、療養上の世話をしていた場合に転倒・転落が生じた場合にも同様といえます。療養上の世話の最中に転倒・転落が生じることを予見することができた場合には、これを防ぐために適切な措置を講じなければいけません。
■おわりに
上記のように医療機関に責任が認められるかどうか、認められた場合にいくらの賠償が行われるかどうかには、法的な専門的知識が必要となります。
また、医療機関に対する責任追及を検討するに際して何が必要か、どのような手続きを踏むべきかわからない方も少なくないでしょう。
医療機関内の事故が発生した場合で、医療機関に対する慰謝料請求を検討している患者の方やそのご遺族の方は、弁護士等の法律の専門家に相談することが好ましいといえます。
初雁綜合法律事務所では、文京区、千代田区、渋谷区、板橋区、江東区を中心に、一都三県で皆様の医療過誤の問題に対してご支援をさせていただいております。「医療事故があったが、病院側の説明に納得がいかず医療過誤を疑っている」「医療過誤の疑いがあるが、判断が難しいので弁護士に相談をしたい」といったお悩みは当事務所までお気軽にご連絡ください。お電話でのお問い合わせも受け付けております。事前にご予約いただければ、時間外や、土日祝日でのご対応も可能です。医療過誤はお一人でお悩みにならず、まずはお気軽にご相談ください。
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- 公益社団法人 東京青年会議所
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- 公益財団法人 文京アカデミー 評議員
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経歴
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- 2008年
- 東洋大学法学部 卒業
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- 2011年
- 東洋大学法科大学院 卒業
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- 2011年
- 司法試験合格
-
- 2012年
-
弁護士登録 第一東京弁護士会(登録番号46872)
神保町法律事務所 入所
文京区 行財政改革区民協議会 委員 就任
東洋大学法科大学院アカデミックアドバイザー 就任
公益社団法人東京青年会議所 入会
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- 2013年
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公益財団法人文京アカデミー 評議員 就任
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