インプラント手術後の神経麻痺による損害賠償請求
インプラント手術後に神経麻痺が生じた場合、歯科医院に損害賠償を請求できるのか悩む方もいらっしゃると思います。
神経麻痺が生じただけで損害賠償が認められるわけではなく、歯科医師の義務違反や損害との因果関係などを確認する必要があります。
本記事では、インプラント手術後の神経麻痺による損害賠償請求について解説します。
神経麻痺で損害賠償請求が認められる要件
インプラント手術後の神経麻痺について損害賠償を請求するには、歯科医師の対応や説明に問題があったかなどを確認する必要があります。
具体的な要件について確認していきましょう。
注意義務違反がある
歯科医師には患者の状態や当時の医療水準に応じて、適切な検査や治療を行うことが求められます。
インプラント手術では、必要な検査が行われていたか、神経の位置を適切に把握していたか、患者の状態に応じた術式が選択されていたかなどが判断材料となります。
必要な検査や確認を怠るなど、適切な対応が行われていなかった場合には、注意義務違反が認められる可能性があります。
説明義務違反がある
歯科医師には、患者が手術を受けるか判断するために必要な情報を説明することが求められます。
手術の内容や神経麻痺などのリスク、他に選択できる治療方法などについて十分な説明がなかった場合には、説明義務違反が問題となる可能性があります。
説明の内容は、診療録や説明書、同意書などから確認します。
義務違反と損害に因果関係がある
注意義務違反があっても、その義務違反によって神経麻痺などの損害が生じたと認められなければ、損害賠償請求が認められない場合があります。
治療前後の症状や画像データ、手術の経過などから、歯科医師の対応と神経麻痺との関係を確認する必要があります。
説明義務違反の場合は、適切な説明を受けていれば手術を受けなかったといえるかなども検討されます。
神経麻痺で請求できる損害の範囲
神経麻痺によって損害が生じた場合は、その内容に応じて損害賠償を請求できる可能性があります。
主な損害について、以下で解説します。
治療費などの積極損害
積極損害とは、神経麻痺が生じたことで実際に支出した費用などの損害です。
神経麻痺の治療に必要となった医療費や通院交通費のほか、インプラントの除去や再治療が必要となった場合には、その費用も請求できる可能性があります。
損害額を確認できるよう、領収書や診療明細書などを保管しておくことが大切です。
仕事を休んだ場合や将来の収入減少による損害
神経麻痺によって仕事を休み、収入が減少した場合には、その減少分を休業損害として請求できる可能性があります。
また、神経麻痺が残り、労働能力が低下したことで将来得られるはずだった収入が減少する場合には、逸失利益を請求できる可能性があります。
具体的な金額は、症状や仕事への影響、収入などを踏まえて判断されます。
慰謝料
神経麻痺によって精神的苦痛を受けた場合には、慰謝料を請求できる可能性があります。
慰謝料の金額は一律ではなく、神経麻痺がどの程度続いたのか、治療によって改善したのかなど、症状の経過を踏まえて判断されます。
また、食事や会話、日常生活に支障が生じている場合には、その影響の程度も慰謝料を判断する際に考慮されます。
インプラント手術後に損害賠償を請求する手続き
損害賠償を請求する場合は、医療記録を確認したうえで歯科医院との交渉を行います。
主な手続きについて、以下で解説します。
医療記録を取得する
損害賠償請求を検討する際は、治療内容や説明内容を確認するため、主に次のような医療記録を取得します。
診療録
画像データ
手術記録
説明書
同意書
これらの資料から、手術前に行われた検査や神経とインプラントの位置関係、患者への説明内容などを確認できます。
歯科医師の義務違反や神経麻痺との因果関係を検討するための重要な資料となるため、早い段階で取得しておくとよいでしょう。
歯科医院と交渉する
医療記録などから歯科医師の対応に問題があった可能性が確認できた場合は、歯科医院に損害賠償を求める交渉を行います。
交渉では、どのような義務違反があったと考えられるのか、神経麻痺によってどのような損害が生じたのかを整理して伝えます。
双方が損害賠償の内容や金額について合意できれば、訴訟を行わずに解決できる場合があります。
交渉で解決しない場合の手続きを検討する
歯科医院との交渉で解決できない場合には、医療ADRや訴訟などを検討します。
医療ADRでは第三者を介した話し合いによる解決を目指し、訴訟では歯科医師の義務違反や因果関係、損害の内容などについて裁判所の判断を求めます。
どの方法が適しているかは、医療記録の内容や交渉状況などによって異なります。
まとめ
インプラント手術後に神経麻痺が生じても、それだけで歯科医師の損害賠償責任が認められるわけではありません。
損害賠償を請求するには、治療内容や説明に問題があったか、神経麻痺との因果関係が認められるかを検討する必要があります。
医療記録の確認や義務違反の判断には専門的な知識が必要となるため、損害賠償を検討している場合は弁護士に相談するとよいでしょう。
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資格者紹介Staff
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所属団体・資格等
- 第一東京弁護士会 住宅紛争処理審査会運営委員会 委員会
- 医療問題弁護団
- 公益社団法人 東京青年会議所
- 文京区基本構想推進区民協議会 委員
- 公益財団法人 文京アカデミー 評議員
- 文京区倫理法人会
経歴
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- 2008年
- 東洋大学法学部 卒業
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- 2011年
- 東洋大学法科大学院 卒業
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- 2011年
- 司法試験合格
-
- 2012年
-
弁護士登録 第一東京弁護士会(登録番号46872)
神保町法律事務所 入所
文京区 行財政改革区民協議会 委員 就任
東洋大学法科大学院アカデミックアドバイザー 就任
公益社団法人東京青年会議所 入会
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- 2013年
- 初雁総合法律事務所 設立
公益財団法人文京アカデミー 評議員 就任
事務所概要Office Overview
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